
2023/4/20(木) – 4/27(木)
13:00 – 19:00(最終日18:00まで)
@Star Poets Gallery KYOTO
堀内亜紀 星と色彩 -Stars and Colors -メッセージ
しらずしらずのうちに鋳型に誘導されるかのような時が続きました。
本展で発表する色鮮やかな作品群は世界を覆う“おおきな鋳型”ともいうべき流れの直前に始まったシリーズです。
それらは以前にも現れていた存在たちとルーツを共にしつつも、
記号のような象徴性ととともに星々の燦きを纏っているようです。
“星と色彩”は多くの人との交流により事象としての表出を待つ、世界に満ち満ちる気配のかたちです。
ステートメント
「 このようなジャンルの絵を目にするのは初めてです 」私の絵にはそのような感想をよくいただきます。
私の作品に表れるテーマは日本や世界各地の神々や精霊といった、古来より人々が感知し時には畏敬の念とともに大切に扱って来た存在です。
しかしそれらは一般的に認知されている姿形とは大きく異なります。
私は山を神そのものとする日本の原始自然崇拝の形の一つである“神体山”の麓で制作をしています。
日本では2013.3.11に大地震と津波による原発事故を伴う東日本大震災が発生し今なおその被害は終息していません。
東日本大震災の直前より私の制作スタイルは「想定したものを描く」という手順ではなく「自動書記的に描画が進む」といったものに変化し、
自動書記的描画により初めて画布に現れたのは私のアトリエの眼前にある神体山の主である神的存在でした。
制作過程において、自分自身が描いている存在が一体何であるのか確信を得られるのは制作工程の半分以上が過ぎてからという場合がほとんどです。
その時々に心惹かれる色彩をベースに画布に表れる微細なパターンに集中すると次に描画する箇所が次々と指し示されるように確信となり手が動くスピードが増していきます。
それは音楽によるハーモニーやダンサーによる動的な調和と同じく、黄金比等による生命の発展の形を抽出していくような作業であり、ある種シャーマニックな過程でもあります。
制作過程で作品が南米やアジア、ポリネシア、中近東やアフリカなどの異なる文化圏の雰囲気を遷移していく事もしばしばで、その過程は現在日本に生きる私という存在に内包されている民族と文化の伝播の表出なのかもしれません。
画布に表れる存在は集合無意識にも根ざしているようで、それらはいずれも古代より崇拝の対象となって来たアニミズムの気配を持っています。
そのような過程を経て完成した作品に対峙する時、空間に拡がりつつ脈動して見えたり、深く強い同調を感じたりという鑑賞者も多く、時には天変地異や社会の変化との連動なども見られます。
大量消費とともに経済活動を最優先とする世界のあり方はもはや限界が来ています。プロパガンダ的扇動により外界に追従するのではなく、自身の感覚に従うこと。古代より実践されてきた「生命の源流に直接触れる」ことの復興を私は作品を描くことで行っています。目に見えずとも世界に満ち満ちているもの。それらを忠実に調和とともに作品にすることは私にとっての「祈り」なのです。
Star Poets Galleryからのメッセージ
2020年4月の堀内亜紀個展 開催予定から3年が過ぎた。
”堀内亜紀個展の延期のお知らせです。”
― 仕方がない。 -
あのまさに鋳型にあれよあれよと引っ張られていくかのように儚くあわい水の分子の私たち。
この時のメインビジュアルは「菊理媛」だった。
緻密な細いペン先でレース編みのような粒子状に描かれ、
彼女の第3の目の辺りからは2本のアンテナが
ピヨ〜〜ンと立っている。
イザナギとイザナミの夫婦喧嘩のワンシーン、キクリヒメは黄泉の国との境界に立ち、男神イザナギに物申し、
たしなめたところ、イザナギはその言葉にたいそう感心したという、
このシーンにしか登場しない謎の女神、括る女神、縁結び、和合の神ともされる。
https://star-poets.com/events-news/01-exhibition/8746 のページより
少しこれまでの10年間をアーカイブで紹介しよう。
2019年に、横浜馬車道での個展「星の塔門〜0からおのずと」
そして福岡天神での個展「Dear Orion」
詳しくは上記のアーカイブをご覧になっていただきたいのだが、
この間に、志賀島神社に奉納した「水底の太陽」という作品がある。
その対をなす作品が、「新しい太陽」だった。
2013年8月「新しい太陽」Star Poets Galleryが東京三宿にあった頃に開催した堀内亜紀の初個展だった。
堀内亜紀の独自のオリジナリティを放つ元型の世界観、
緻密性を保った作画の可能性にみんなが振動しあい、夢中になった。
その後は、スターポエッツが京都に拠点を移しての個展だった。
2019年に「宇宙太陽から竜宮マリアへ」を開催。
目を見開いて、こちらを見据えあっかんべーをする
太古の女神イナンナか、ハトホルか?
タイトルは「宇宙太陽」!
貝殻で埋め尽くされたフレーム、色とりどりのビーズという素材の持つなんとも言えぬ光沢放つ泡の海に微笑む龍宮マリア。
今回、このテキストを書いていると私の中に、亜紀さんの作品を全部紹介したいという気持ちが高まる。
まるでミステリー連載小説か、
シリーズ物の大作漫画を徹夜してまとめて読んでいる時のような錯覚がやってくる。
堀内亜紀の描く神話的絵画のストーリー、、、、、面白い、待ち遠しい。読み進めば進むほどエキサイティング!
読み解くのは自分次第。
その時系列で謎を解かれたがっている化身たち、
読み解く膨大な自国の時刻に横たわる地球創生のミステリーが展開していく。
あの卑弥呼の歴史ロマンは一体その後はどうなっているのか?
一体あの事件の本当の犯人は誰なのか?
何人だってなんでもいい。ここに地球の誉れあり。
一連のパズルのピースが反転したり回転したり渦を巻いたりしながら
円錐型のUFOに気づけば乗っていた。
三輪山から富士山に八ヶ岳から白山に〜
徹夜には気をつけよう。
今回の作品群はそんな一段と清々しく華やぐ色彩光線に乗って
宙のミディアムたちが降臨している。
重なり合ったり、融合したり、光の点と点をつなぐレイヤー宇宙の星びとたち。
それは命をかけて生み出そうとする創造主、堀内亜紀の神聖なお籠りだ。
来訪者たちの呼吸が聴こえてくるように
堀内亜紀の脳内、はたまた胎内を通って
母船から日出ずる処の者たちにめがけて参上!
「応答セヨ。」
我ら着地中!!
Star Poets Gallery Hitomi Imamura

堀内亜紀 Aki Horiuchi Profile
武蔵野美術大学短期学部工芸デザイン科卒業
イラストレーターとして書籍装丁画やタロットカードの作画などを多く手がけるとともにイラスト原画の展覧会を開催。
2011年、依頼主の有無を超え自発的な世界の事象を色濃く反映した作品シリーズの発出により、この世界に満ちるスピリット達の気配を現す画家として作品を発しています。
奈良県在住。
■賞歴
第4回ART BOX大賞展グリーンネットワーク賞/玄光社イラストレーション誌ザ・チョイス入選(第113回)・準入選(81回)/第6回グラフィックアート『ひとつぼ展』入選(リクルート・ガーディアンガーデン)/第1回ギャラリーハウスMAYA『挿画を描くコンペティション』グランプリ
■展覧会
1995年 第4回ART BOX大賞展受賞記念二人展(ART BOXギャラリー)/ インスタレーション個展(原宿ハイパーオンハイパー)
2002年 第1回ギャラリーハウスMAYA『挿画を描くコンペティション』受賞記念個展
2003年 企画展出品 (画廊飛鳥)
2010年 個展 (近鉄百貨店 橿原 美術画廊)
2011年 企画展出品 (ギャラリーベルンアート)/ブース展示(癒しフェアOSAKA)/個展 (近鉄百貨店 橿原 美術画廊)
2012年 個展(ギャラリーハウスMAYA)/個展 (ギャラリーカフェTakeno)/企画展出品(ギャラリーハウスMAYA)
2013年 個展 (StarPoetsGallery 東京) / 個展 (近鉄百貨店 橿原 美術画廊)
2014年 個展 (ギャラリーカフェTakeno)/企画展出品(もずみみはらのアトリエ)
2015年 個展(ギャラリーハウスMAYA)/企画展出品 (PALETTE GALLERY)/個展(Galleryならまち村)
2016年 個展 (画廊飛鳥)
2018年 個展 (StarPoetsGallery 京都) /企画展出品(StarPoetsGallery 京都)
2019年 個展(横浜馬車道大津ギャラリー)/個展(博多ギャラリー天神)
2022年 企画展出品(法然院)/個展(spectrum art gallery & lab)