2012/10/16(tue)- 10/21(sun)
12:00-20:00
*最終日のみ18:00まで
——————————————————
オープニングレセプション 10/16(火) 18:00~
作家を囲んでのパーティーです。みなさまのお越しををお待ちしております。
Technoicon2012
この秋、ものすごく久しぶりに作品展を開催することになりました。
近年では2005年と2007年に、ギャラリーバーなどでの作品展示は行ってまいりましたが、
ギャラリーでの作品展という事になりますと、
1982年12月に原宿アットギャラリーで行った「地図と記号と森羅万象展」以来、
実に30年ぶりの個展開催ということになります。
私、奥平は30数年前にマンガ家、イラストレーターとしてデビュー、
その後、雑誌、レコードジャケットなどのアートディレクションに活動の場を拡げ、
1990年以後は主に、ゲームやCG、マルチメディア、WEBといった
いわゆるデジタルコンテンツのディレクションに携わって参りました。
しかし近年は、本来の仕事である「絵の制作」に戻ろうと考え、
2年ほど前に慣れ親しんだ東京から、外房の海の近くに居を移し、絵画作品の制作にいそしむ日々を送っております。
今回の個展では、そんな中で生み出された作品の数々をメインに
ここ数年の作品を皆様にご覧いただければと考えております。
またこれも、ものすごく久しぶり、約20年ぶりになりますが、現在、新作マンガも描きおろし執筆中。
同展においては、このマンガの紹介も行う予定です。
「Technoicon/テクノイコン」
この言葉は私が90年代初頭、「これからはコンピュータだよね」と
例によって軽い調子で、アナログからデジタルへとその表現方法を変化させた折、
表現していくべきテーマとして、何かスローガンとなる言葉が欲しいな…と、
そこで無理矢理ひねり出した造語です。
とは言っても、大好きで自身の大きなバックボーンの一つである「テクノ」と、
これまたずっと惹かれ続ける「イコン(その当時は、西洋の宗教画)」を
単にくっつけただけなのですが…。
それ以後、これをテーマに数々のデジタル作品
(イラスト、マンガ、アートディレクション)を制作、発表して行きます。
また、「テクノイコン・ラボラトリー(TIL)」なるバンドも結成し、アンビエント音楽の制作、演奏なども行いました。
2005年と2007年に行った、ギャラリーバーでの作品展のタイトルも
「Technoicon2005」「Technoicon2007」と、
そのままと言うか、実にヒネリのないネーミングでした。
さて、今回ご覧いれる事になるここ数年の作品。
これらは、以前の作品と比べると、かなり趣向が違って来ているようです。
分かりやすく言うと、それは「和のテイスト」でしょうか。
これに関して、何人かの人から質問を受けました。
「どうして、日本画風になったんですか?」
「なにが、きっかけで変わったんですか?」
この質問に対して私も、最初のうちこそそれらしく、
何かもっともらしい答えを返そうと努力していましたが、
そのうち、ハタと気がつきました。
「あ、ぜんぜん、変わってないや」
つまり、わたしが惹かれ続ける「イコン」は
西洋絵画方面から日本画方面へと徐々に変化していったかもしれませんが、
私が描き出したい「テクノ」と「イコン」の絶妙なブレンド、蜜月と対立、相反と合体…、
そのようなテーマは、本質的には何一つ変わっていなかったのです。
という訳で、今作品展のタイトル、
これも、最初のうちこそ、あーだこーだと色々と悩みましたが、
結局「Technoicon2012」に落ち着いたようです。
相変わらず、ヒネリがなくて申し訳ないばかりです。
奥平イラ
奥平イラ作品展 – Technoicon2012 -によせて
ついにSPG(Star Poets Gallery)10年目にして奥平イラさんをご紹介できる運びとなりました。
SPGのWEBデザインを2002年の起ち上げから手掛けてくれているイラテックのサトコさんのパートナーでもあります。
常にイラさんは絶妙なクリエイティブ魂オーラでSPGを見守り続けてくださいました!
この2,3年、イラテックが外房の海の近くの民家を改装して移り住んでから、
イラさんの作風があれよあれよと変革を遂げて行き、東洋のアイコン世界に突入している姿を垣間見たとき、
環境をシフトさせてさらにストイックに絵を描くことに向かい合っているイラさんに感銘を受けました。
二人の家の裏にはイラさんが庭仕事で整えた竹林がいい感じで風情を醸し出していますが、
そんな竹林の中に忽然と禅世界から飛び出してきたような虎や、 春夏秋冬の季節の移ろいに咲く花々、
まさかの奥平テクノイコン魂が溶け込んで次々と素敵な作品が生まれています。
イラさんのお仕事はこれまで、イラさんにしかできない仕事しかやってきていないと思います。
これからもそうであるためにそう在るでしょう。
そんな人生の方法を多角的中核に落とし込んで抽出されていく感覚や知覚のやりとりを、
自分自身と対峙してきた方だという存在の妙が、奥平イラにはあるのです。
クリエイティブという使い勝手の良い万能なワードが持つ心得が 万人の共通言語となった今だからこそ、
さらにクリエイティブとは何か? クリエイティビティとは?まるで問答のように行きつ戻りつできるための、
先端の意志が試される、その先にある場所にきわどく立てる、するどく安寧するバランス感覚。
DNA禅トリミングで発光する奥平イラの演出する新しい美術をご覧くださいませ。
ぜひ多くの皆様にご来場いただきたく、お友だちお誘いあわせの上 お越しくださいませ。
お待ちいたしております。
皆様のおかげをもちましてSPGも10周年を迎えることができました。
様々なご縁に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。
Star Poets Gallery 今村仁美
奥平イラ Profile
奥平イラ(おくだいらいら)
1956年9月7日、兵庫県姫路市生まれ。
1979年、イラストレーター、マンガ家としてデビュー。「ガロ」「ビックリハウス」「宝島」等にその作品を発表する。
マンガ単行本「モダーンラヴァーズ」「地図と記号」、音楽も自ら手掛けたカセットブック「エレファントマニア」等を出版。
またアート・ディレクターとして、80年代「宝島」等の雑誌、レコードジャケットの制作などを数多く手がける。
90年代からは、その表現方法をデジタルにシフト。
CGを駆使した作品で数々のCDジャケットを制作、またCGコミックやCGアニメーションの映像作品を制作した。
以後、徐々にデジタルコンテンツのディレクションをメインの仕事とし、富士通開発の人工生命プロジェクト「TEO」等のマルチメディア作品、任天堂やプレイステーション開発のゲーム、手塚治虫の公式サイトをはじめとする数多くのWEB、等々の制作に携わってきた。
また近年、その傍らで絵画作品の制作も行い、恵比寿NOS「Technoicon2005」、青山DEROLI「Technoicon2007」など、ギャラリーバーに於いての作品展を開催。
2010年より外房に居を移し、本格的に絵画制作を行う。
http://www.yla-tech.com