2022/5/13-19

HUMANITAS 〜Into the natural state〜 Sidd Murray-Clark Exhibition

  

2022/5/13(金)-5/19(木)
12:00 – 19:00(最終日~18:00)
@Star Poets Gallery

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シド・マリークラーク在廊日

5/13(金)13:00~19:00
5/14(土)14:00~18:00
5/19(木)13:00~18:00(最終日)

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5/13(金)17:00~ Opening Talk


 

Message from Star Poets Gallery

 

様々な状況を経ながらも、刻一刻と変化し進化する世界

 

その一瞬一瞬に私たちの内側では何が起きているでしょうか。

世界が変わりつつある今、より自然な状態で自分自身に向き合い充足することの大切さを

 

シドの作品を通して分かち合うことができましたら嬉しく存じます。

 

 

Star Poets Gallery  Hitomi Imamura

 


 

 

 

Message From Sidd Murray-Clark

 

What is this natural state? A paradise, some pristine garden of pure harmony, but which no one has actually visited? 

Or simply our longing? Every morning we wake up and for a brief moment we are in a natural State – innocent, open, floating in our being. 

A poet tells us “we have to get back to the garden” and so the adventure begins.

 The questing artist probes and wonders with the tools of his art seeking out a key or a path. 

Then on the way, in between the doing and the exploring, the natural mind begins to reveal itself and he finds himself in the Natural State – the real state of Now. 

My art is in someways a ‘journal’ – records of shadows, motes of light, marks of power, sketches of fragility. 

They are glimpses of my ‘state’ as that longing begins to become experience. So I invite you on board the boat called ‘longing’ as we sail in the Natural State!

 

Natural State(自然な状態)とは何でしょうか?

誰も実際には訪れたことのない、調和がある純粋な楽園のようなガーデンなのでしょうか?

それとも、それは単なる私たちの憧れなのでしょうか?

毎朝、私たちは目を覚ますとき、 ほんの一瞬、Natural State (自然な状態)の中で、無垢で、オープンで、私たちの存在の中に浮かんでいます。

 詩人は「私たちはガーデンに戻らねばならない」と語り、その冒険が始まります。

 探求するアーティストは、自分のアートのツールを使って、探し求め、驚きと共に、鍵や道を探します。

 するとその途上で、行為と探求の間に、自然な心がそれ自体の姿を現し始め、彼は自分自身が自然の状態、本当の「今」という状態にいることに気づきます。

 

私のアートは、ある意味での「ジャーナル」で、影と光の

微粒子の記録であり、力の痕跡、はかなさのスケッチです。

 

 その熱望が経験になりはじめるとき、それらは私の「状態」の一瞥です。

Natural State(自然な状態)へ航海をしながら、「熱望」という名の舟への乗船に、

みなさんを招待します。

 

Sidd Murray-Clark

 

 

5/13(金)シド・マリークラーク Opening Talk(文字起こし)

通訳:黒田コマラ

 

 

今私たちは、本当に奇妙なところにいるように思います。

 

誰かが一時停止のボタンを押したようなそんな世界に住んでいます。

何かがホールド状態にあるような

でもこの数年というもの、私にとって、とってもクリエイティブな、非常に普通じゃないそういった感じです。

そのときからの作品を今ここに持ってきました。

もちろん一つ一つにタイトルがついているように、どれもが私のプロセスを表しています。

私にとってこれらは日記のようです。

それぞれの絵の背後にはたくさんのものがあるのですが、このトークのご指名を受けてアーティストとして、

このプロセスについて話すことは私にとっては、”人間であるとは何であるか” そういったことでもあります。

 

クリシュナムルティという 

インドの神秘家がいました。

もう亡くなった方なんですが、

最近彼が話したことで、私に何か語ってるなと思うことがあったんです。

 

それは私たちは今どんなところにいるのかについて彼が語ったことなんですが、

彼が言った問いかけは、言葉ははっきりとは覚えてないのですが、こう言いました。

 

私たちは”エンターテイメント”か、または”意識”、を選ぶのか、と彼は言ったと思うんですね。

 

それは大きな問いかけです。

 

私たちは何か自分の中でこうしようと思ってもできなかったことがあったり。

スマホを通して生きていたり、

夢の中にいる。私たちはある意味、そんな夢の中にいる。とも言えるわけですね。

 

今本当に特別な時にいると思うんです。

私にとってその質問をする。

”人間であるとは何か?”

それを問いかけるのは私にとって、とても大切なことです。

 

何か映画の中のような世界に、

あるいは自分の中にいることができるのか。

 

私が何をしているのか。私はどこにいるのか。人間として、その問いかけ。

私は人間であるということはそれがなんなのかという問いかけ、

そしてそれをクリエイティブな問いかけとして、、、、

 

ここで何を話そうかというときにスマホでノートを取りました。覚書として自分のノートに打ち込んでいたんです。

 

私は英語のワードでinfinityとスマホに書いた。

だけど私のスマホがそれをスペルチェックで、インターネットと変えてしまったんです。

 

人からこのように尋ねられたことがあります。

 

この絵が完結したとどのようにわかるのですか?

それはいつも違う形でやってくる。でも自分の中でチェックすることがあって、

それは、”この絵の中に無限はあるだろうか?”という問いかけです。

 

そこには無限の境界線がない、無限のフィーリングが、この絵の中にあるだろうか?

 

絵を描いている時に、そう言ったスペースが自分に起こるときに

何か自分より大きなものを感じることができる。私ではない何か大きな感覚がそこにやってくる。

今回の個展のタイトルは

HUMANITASという名前ですが、人間性とはなんなのか?

人間であるとは何なのかという問いかけに対するタイトルです。

そのサブタイトルとして”自然の状態”に入っていくという、ナチュラルステートというタイトル。

哲学者とか詩人はナチュラルステートという言葉をよく使います。

 

例えば誰かのことについて、話をするときにこの人は親切さ、優しさを持っていると表現します。

それは私たちにとって、とても自然な質という意味を持っている。

 

その自然に持っている私たちの質。そのフィーリング。

どのように私たちがその質に戻ってくることができるのか。

例えば人はそれを無垢さとか、生まれながらのオリジナルと表現しますが、

そしてその自然な状態とは、遊び心がある。

問いかけることもなく、ただありのままの自分である。

それは私たちが学ぶものではない。

既に持っているもの。

それは人から何か言ってもらうことでもない。

私たちの中でわかる。といったものです。

 

アートを作っている時、素晴らしい瞬間を掴む時。

私にはそれが自然の状態だとわかるんです。

何かを招待するような感覚、でも何かすでにそこにあるものを招待するというのは変な言い方に聞こえるかもしれません。

スーフィーの中ではゲスト、”お客さんを招待する”というそういう表現があります。

私たちはゲストを招待する。そのゲストを招く。

その場というその人はすでに常にそこにいるわけです。

 

 

私はアートを作ることを通してそれをしている。

それをスピリットと言うふうにいうこともできます。

それは私にとっては自由、自発的な質、何かに関するここにある何かメッセージがある。

 

私が好きな詩人がいます。今、目下好きな詩人です。

彼女の名はメアリー・オリバーというアメリカの詩人です。

 

彼女の詩がとても素晴らしいと思うのは、私たちはこの自然の中に住んでいると同時に、

私たちは誰であるかという内なる自然の中に住んでいることでもある。

 

今から彼女の詩を紹介します。

 

彼女が芸術家の実践、プラクティスということについて話している。

 

それはどんなふうにアートを作っていくのかに反映していると思うんですね。

アーティストと私が呼ぶときに、それはただ絵を描く人のことだけではありません。

ミュージシャン、ライター、詩人、料理を作る人、ガーデナー、誰でもアーティストだという意味です。

 

彼女の詩をちょっと読みますね。

 


 

Mary Oliver says: 

 

“Worry less about what you make — that will mostly look after itself, and is to some extent beyond your control, and perhaps even 

 

none of your business — and devote yourself to nourishing this animating spirit. 

 

Bring all your enthusiasm to bear on the development of that good and essential force. 

 

This is done by a commitment to the creative act itself. 

 

Each time you tend to that ingenious spark it grows stronger, and sets afire the ordinary gifts of the imagination. 

 

The more dedication you show to the process, the better the work, and the greater your gift to the world. 

 

Apply yourself fully to the task, let go of the outcome, and your true voice will appear. 

 

You’ll see. It can be no other way.”

 


 

(メアリーオリバーの詩)

 

自分が作るものを気にしないことです。

 

ほとんどの場合、それはそれ自体でなるものだから。

 

ある程度、それはある意味ではあなたのコントロールを超えています。

多分それはあなたと関係すらありません。

 

そしてこの活気に満ちたスピリットをを育むことに献身することです。

 

その素晴らしい本質的な力を発展させるために、あなたの熱意を全てそこに注ぎ込んでください。

 

それはクリエイティブな行為そのものにコミットすることでなされています

 

あなたがその独創的なスパークに関わるたびにそれはもっと強く尊重して

 

そして普段あなたが持っている創造力の、その才能に火をつけることができます。

 

 

あなたがそのプロセスに献身的であればあるほど

あなたの作品はよくなります。

 

 

結果を気にしない

 

結果を手放せばあなたの本当の声がそこに現れるでしょう。

 

 

 

そしてそれ以外の方法はないということをあなたはわかります。

 


 

彼女が言う活気に満ちたスピリットそれは私が言うクリエイティブなスピリット

 

それが私にとってはナチュラルステート、自然な状態ということだと思います。

 

クリエティブスピリットそれはアーティストが生きることの中で繋がるものです。

 

彼女がその詩の中で言うように、それは完璧になることじゃない、それは

その中にあるスピリットを育んでいくことだ。と言っていますね。

自分の自発性、自由な感覚

その感覚を思い出すことです。

自分の中にやってくる小さなアイデア、小さな何かを信頼することです。

 

そしてアーティストが何か探求をしていくということは、すべてのものに興味を持っていること。

そうすればあらゆる可能性というものそれが〜〜

 

ここで話していることは

みんなどこかで知っている。

自分の中のスピリット。

それを育んでいくことです。

 

私の今回の個展に関してステートメントがありますが、“

遊び心”ということをそこに書いてあります。

 

今日の午後、誰かと失敗をすることについて話しをしてたんですね。

私はいつもミステイクをすることを勇気付けるっていうかね。

 

私たちは条件付けの箱の中に押し込められてしまっているとも言えます。

あ〜失敗したな〜どうしよう〜〜と思うわけです。

アーティストは全く違った言い方をする。

あっ失敗したな。

これは興味深いぞ。

どんな風に自分はこれをしたんだろうか。

 

何か特別な瞬間なんです。

自分が予期してしたことじゃない。

 

みてわかるように私はいろんなマテリアルを使って作るのが好きです。

例えばタオルを使って描いたものがある。

どのようにしてそれが始まったのか〜というと

筆を綺麗にするためにタオルを使っていたんですね。そのタオルはいろんな色がいっぱいついていて、

私のマインドはそのことをミステイクと見ているわけです。

私にとってこのマテリアルはとても重要です。

それは私の中の活気に満ちたスピリットというものを含んでいる。

 

だからと言ってスキルは必要ないと言っているのではありません。

スキルも大切です。

あなたがスキルを学んでいけばそれはとても自然なものになる。身につくというかね。

例えば

自転車に乗ることを考えると、最初は何度も転んでいます。

でもある瞬間、

あっ乗れてるぞ〜ということが起こる

手もはなせるぞ〜と、両手も放せるぞ〜〜と。

 

バランスがそこで復習される

 

スキルを学ぶ時というのは、そう言った難しいいステップがありますね。

でもそれがあなたのものになるとき、

それは自分にとってのユニークな在り方になる。

 

それがあなたのオリジナリティーになる。

あなたのオリジナルになる。

 

皆さんのその自然な状態に!

 

ウェルカム to ナチュラルステート

 

 

 

シド・マリークラーク アートの紹介

 

シドのアートは、自然と自己の内なる自然、その両者の関係の探求にあります。

様々な媒体を使うことで、材料が絵のテーマやヴィジョンを上手く表現できる助けとします。

彼にとってのクリエイティブなプロセスとは、探求と蒸留と言えます。

このプロセスを通して、アイデアやイメージの本質を追及し、その真髄を表現することができます。

シドの作品の中には、本質に至ることを目的とした削除を試みるために、抽象的な形に働きかけることがあります。

このプロセスと自己の瞑想との間に、たくさんの類似点を彼は発見しています。

 

Photo © Satoko Noguchi
Photo © Satoko Noguchi
Photo © Satoko Noguchi
Photo © Satoko Noguchi

 

 

 

Sidd Murry-Clark/シド・マリークラーク Profile

Photo © Satoko Noguchi
Photo © Satoko Noguchi

 

Sidd Murray-Clark is an artist, designer and teacher who works and exhibits his art in Asia and Europe.

 

シド・マリークラークは、アーティスト、デザイナー、そしてティーチャーであり、
アジアやヨーロッパで自身の作品を発表しています。

 

Sidd is an artist writer and teacher.
He shares his creativity to help expand consciousness and sensibility in people’s lives and their environment.

 

シドはアーティストであり、またライター、ティーチャーでもあります。
彼は自らのクリエイティビティを分かち合うことで 人々の人生や環境における感受性と意識の広がりを助けます。
彼は内面の世界と外の世界の両方を探求し、その二つの世界の間にある生き生きしたつながりに働きかけます。

 

BIOGRAPHY

Sidd was born in Edinburgh, Scotland.

His very early years were spent in Singapore, before returning to England for his formal education.

He studied stage design for theatre and television and received a degree at Central School of Art, London.

He then received a post-graduate diploma in art education at London University, and a Calouste Gulbenkian Foundation scholarship.

His creative life has involved landscape and architectural design as well as writing, illustration and graphic design for publishing, while living in many countries both East and West.

He currently lives in Japan, holding exhibitions and teaching inspirational creativity workshops.

 

http://www.siddart.com

 

<経歴>
スコットランド・エディンバラで生まれる。

幼少期をシンガポールで過ごした後、イングランドに戻り教育を受ける。

ロンドンのセントラルスクール・オブ・アートにて、舞台デザインの学位を取得。

後に、カルースト・グルベンキアン財団の奨学金を受け、ロンドン大学のアート教育における大学院学位を取得。

シドの創作活動は、多くの国における在住経験の間に、景観設計や建築デザイン、執筆、出版物のイラストレーションやグラフィックデザインなど多岐にわたる。

2006年より兵庫県西宮に在住。

 

<アートエキシビション略歴>

1976 Beaminster Gallery, Somerset UK
1992-1995 Pune, India
1996

Regency Hotel Group, Maharashtra India

Oberon International Group, India & Singapore

2000 Neoteric Studios, California, USA
2001

Marin Country Open Exhibitions, California, USA

Sausalito Art Festival, California, USA

2002

Living Gallera, solo exhibition, Amsterdam, Netherland

Open Studios Exhibitions, California, USA

2003

Ironstone Gallery, Annual artists exhibition, California, USA

Period Gallery, Nebraska, USA

2004 Tadu Contemporary, New Mexico, USA
2005 Arte-Misia Gallery, Arizona, USA
2006 Arte-Misia Gallery, Arizona, USA
2007 個展 ギャラリーほりかわ(神戸・三宮)
2008

個展 ギャラリーほりかわ(神戸・三宮)

個展 HYGGE SPACE(神戸・三宮)

2009

合同展 ヒルサイドテラスギャラリー(東京)

個展 スターポエッツギャラリー(東京)

2010 個展 スターポエッツギャラリー(東京)
2011 Aloka Creative Center, Brighton, UK

個展 ギャラリーほりかわ(神戸・三宮)

個展 スターポエッツギャラリー(東京)

2012

個展 一畑百貨店美術サロン(島根・松江)

個展 スターポエッツギャラリー(東京)

2013 個展 スターポエッツギャラリー(東京)
2014

個展 スターポエッツギャラリー(東京)

個展 あじさいギャラリー(神戸・三宮)

2015 個展 オーラソーマインターナショナルカンファレンス(東京)
個展 法然院(京都)スターポエッツギャラリー主催
個展 Unica creative space(東京)Unica creative space・スターポエッツギャラリー主催
2016 個展 アートスペース余花庵(京都)
個展 Unica creative space(東京)Unica creative space・スターポエッツギャラリー主催
2017 コラボレーション展 スターポエッツギャラリー(京都)
個展 Unica creative space(東京)
個展 アートスペース余花庵(京都)
2018 コラボレーション展 スターポエッツギャラリー(京都)
個展 愛でるギャラリー祝(東京)
2019 個展 スターポエッツギャラリー(京都)

 

 

Design / Teaching

1974 –1978

Smallworks Theatre Design Group

Lecturer at Central School of Art & Design St Martins, London

1981- 1986 City planning and landscape design, Oregon USA
1988 Book Designer & illustrator for Labyrinth Books Firenze, Italy
1989 Co-authored ‘History of the Future’- published by Simon & Schuster
1989-2000

Returned to India to develop the Osho Meditation Resort, Pune,

Masterplans for eco-recovery parks and large residential projects.

2000 -2004 Neoteric Studios, multi design group in CA, USA

 

<デザイン>

現代バレエと、クラシックバレエのプロダクションに参加 ヨーロッパ、インド)

ランドスケープデザインとガーデンデザイン (インド、アメリカ)

グラフィックデザインとイラストデザイン(アメリカ、イギリスの出版物)

 

<講師経歴>

セントラルスクールオブアートの講師

アメリカ、ヨーロッパ、日本においてペインティングワークショップ開催

現在、日本、中国にてワークショップを定期的に開催。

https://www.creativlife.net/

 

 

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