2025/6/21-6/29

水の記憶 – 黒川ツナ子個展

水の記憶

水の記憶

 

2025/6/21(土)  – 6/29(日)
13:00 – 19:00 (最終日~17:00)
@Star Poets Gallery KYOTO

 


◆6/21(土) 15:00~17:00 夏至の日のオープニングセレモニー

Sara Satomi〜水の記憶のセレブレーション/クリスタルボウルとうた
黒川ツナ子アーティストトーク
2,500円(お茶とお菓子付き)
ご予約はこちら>


◆6/27(金) 15:00~ 水の記憶のためのpoetry portion

吟遊現代LIVE開催します。
末富晶
中峯翔
友理(リモート中継) 

2,000円(お茶とお菓子付き)
ご予約は要りません。当日入口にてお支払いください。


 

今回の個展に寄せて

 

昨年のこと
ずっと小さな作品ばかりを描いていた私の前に、突然大きな屏風や衝立が使った事もない大量の岩絵具と共に現れました。
これも何かのご縁、とそれからは使い慣れない絵の具と共に大きな画面にひたすら向き合う日々が始まりました。
そうしていく中で、動物たちに心を寄せ、筆の向くままに描き上がったのが「水の記憶」という作品でした。

 

今年になり
この度の個展が決まり、中心に据える作品をどれにするかを決めるミーティングで 「いま大切なことを思い出すとき」というワードが出た時、まずこの作品が浮かびました。
そしてあらためて他の作品を見た時、どの作品にも無意識に「水」を連想させるような表現をしている事に気がつきました。
ああ、全部が繋がっている、とあらためて思いました。
水は全てを記憶しているといいます。
地球は水の星、そして私たちもほぼ水でできています。
水の記憶に向き合う。
それは自分にも向き合うこと。
そして大切な何かを思い出す。
きっといまの私たちにはそれが必要だと思うのです。

 

黒川ツナ子

 

水の記憶
水の記憶
「雨 ー水色の音」(水の記憶裏)
雨 ー水色の音(水の記憶裏)
お陽さまのかおる日に
お陽さまのかおる日に

 

黒川ツナ子さんのこと

 

黒川ツナ子さんはいつも普通ーordinarilyー
であることの
感覚に長けている鋭いひと
彼女の内側で記憶されている
絶妙な精神性と緻密な感受性
感じていることにまっすぐな普遍の現れに
共通するいくつかの接点や沸点
今回の作品たちは、
静かに揺蕩い
語りはじめているようだ。

 

昨年5月スターポエッツ初個展となった
「遠い日の約束」では、末富晶の第一詩集
“世界のはじめに”よりインスパイアされた
珠玉の作品たちが生まれた。

それからのツナ子さんがかなりすごかった
瞬く間に
まるで時を超えて重なり合う出逢いによって
画人の魂が蘇るような出来事が起きていた。

 

かつて日本画家の住まいだったという祇園の一角をアトリエとして提供される奇跡的な日々、
住蓮山安楽寺さんにて、絵巻き修復に参加した
ご縁により、ツナ子さんが尊敬してやまない
表具師N氏から手渡される岩絵具たち
そしてさらに古き良き職人技光る屏風や衝立など、
次々とツナ子さんの元へとやってきたのだ。
ツナ子に描いて欲しいと言わんばかりのツクモ神たちの仕業なのか!

 

その後、今年の秋に展示が決まることとなった
滋賀県大津、琵琶湖近くにある美しき重要文化財(大正の日本画家山元春挙の別邸)
蘆花浅水荘(記恩寺)に至るプロセス
その物語りは〜今もなお紡がれている真っ最中なのだ。

 

ふと、ツナ子さんの書く安楽寺での御朱印が浮かんでくる
あの力強く福を放つ書体はなんだろう
厄を落とし穢れをはらうツナ子流の一手が入魂されているとしか思えない

 

時にツナ子という魂に宿る不思議なまでの
矜持ある立ち居振舞いはいったい誰なんだろう?

 

水の記憶はやがて魂の記録を呼び覚ます

 

岩絵具という鉱物にひそむ周波数を感じ入るままに使う
宮古島の麻炭パウダーをあまりに自然に下塗りに仕込む
そんなツナ子さんの存在に引き込まれて
その透明な筆先に宿りたい精霊たちがやってくる
伝えたい、歌いたい、織りあいたい、
祈りたいから、、、、

 

その集中極まる熱量とともに現れる
ふっと浮かび上がる
光の中から美しく儚い夢のように生まれ出る
彼女たち

 

誰もが抱きしめたい彼女たちに

 

抱きしめられて
力をいただいてください

 

と添えておこう!

 

Star Poets Gallery Hitomi Imamura

 

ゆだね ひらき はなつ
ゆだね ひらき はなつ

一粒の波紋から 調和へ

催花雨(さいかう)

 

 

吟遊現代の三詩人たち(末富 晶、友理、中峯 翔)より黒川ツナ子に捧げます~

 

黒川ツナ子個展-水の記憶-に寄せて – 末富 晶

 

雨の音

 

川の音

 

海の音

 

人の心の奥深く

涙の雫が

こぼれる音

 

黒川ツナ子作『水の記憶』

カモシカさんの静かな瞳を見つめていると、太古の水の音が聞こえてくる

 

水の記憶は星の記憶

 

はるか遠くの昔から

ずっと先の未来まで

 

絶えず流れる水音は

生命の響きそのもの

 

固有の響きは重なり合って

天をめぐり 地をめぐり

人々の身体をめぐり

 

ある時ここで筆の先から

色となり形となり絵となった

 

見るものの記憶を呼び覚ます

新しい水

 

人と人とはそうして

水面に互いを映し合う

 

カモシカさんの瞳の光に

生まれる前の世界を

思い出していた

 

原初の森に入

その湧き出る泉のそばで

 

ずっとここにいたことを

思い出していた

 

2025年夏至の日

黒川ツナ子の新たな作品たちとともに、水の記憶との呼応の場がここに開かれることを祝して。

末富 晶 

 

黒川ツナ子展への讃歌 – 友理

 

夜に出て朝に憧がる

 

それは海からくる
そんなに威勢よくちゃ面倒見切れないね
と彼がいう
そう? と彼女が茶化すように笑って一足先を歩き始める
光あれからもう数世紀が経過している

 

ずっとこうしてはいられないので彼は
すたりすたりと4本のひづめのある脚を交差して歩き始める
なにが彼を悩ませるかというと彼女の足は2本でしかない
これじゃアダムもエバもあったもんじゃない
彼は立派な角を振り不満気に嘆息を漏らす
しかも彼女のでっぷりと肉付きのいい裸の尻にどこかな
つかしさまで感じてくるのだ
それは夜からくる

 

どこまでいくのわたしたちはと彼女がたずねる
道はまだ生まれないものたちすでに生き絶えたものたち
のいのちたちでうっそうと茂っている
あと半世紀ほどすれば若者は足にゲートルを巻き始めるのだろうか

 

「そんなことさせないわ」と彼女がいう。
それは水からくる
光あれからもう何世紀も経過している
葉先からしらじらと果実がしたたりおちるので
足元に泉が湧いてきている
彼女はひとつがっぷりと噛んでいかにも甘そうに
たましひ
とつぶやく

 

たましひがそこにあるかい?
と彼がたずねる
泉の奥底から白いまたたきがみえている
かすかでしかないわ
彼女がこたえる

 

二人はようやく顔を見合わせる

 

「かすかでもそれは光だ」

 

soul……不滅と考えられている魂、霊、霊魂、(事物の)精髄、生命。
起源は諸説存在するがその一つとしてインド・ヨーロッパ祖語の“saiwa”(海、湖、水域、塩水)に関連すると疑われている。
世界各地の信仰にあるように「水」は魂の出生前、または死後に立ち寄るとされる場所と考えられていた。

 

2025年6月某日(雨)
黒川ツナ子展への讃歌

友理


参考文献/新クラウン英和辞典, online etymology dictionary

 

黒川ツナ子個展-水の記憶-に寄せて – 中峯 翔

 

星生みの目

 

悠久という

時間がはじまる前から

その眼差しだけがあった

 

遥かな静寂に足音が鳴り

向こうにもこちらにも

行き来し息を吹きかける

確かな一つの存在

 

わたしが気づいたのは

幻夜の森に光射す

満月の中天に

銀灰の毛を虹に染め

佇む

あの

星生みの目

 

波紋は ひとつの瞬き

その眼は

ひとつの惑星

 

わたしたちは

一粒の青色

海も空も

水からの からだ

 

雨は空からの緞帳

それは生命への恩寵

 

雨音ひとつに

重なって

天音鳴った

ぶおん

無音が

広がって

久遠のわたしが

はじまった

 

中峯翔

 

 

黒川ツナ子 Profile

黒川ツナ子

1974年岡山県生まれ
1995年京都芸術短期大学ビジュアルデザイン科卒業
20代後半、結婚を機に当時勤めていたデザイン会社を退職し、専業主婦になる
長女、次女を出産、主婦として子育て中心の生活を送る中で、友人や知人から不定期に依頼を受けてイラストやデザイン、書の制作を行う
絵を描く事は自分との対話であり、子供とのコミュニケーションツールでもあった

 

少しずつオリジナルの作品が増えていく中で、ご縁に導かれるまま京都を中心に原画展や原画の展示イベントを主催したり参加したりしていくようになる

 

そして原画の展示イベントを年に数回のペースで行うようになっていた頃、杉本彩さんと出会い、動物愛護・福祉の活動に協力、参加するようになる
彼女が代表を務める公益財団法人動物環境福祉協会Evaのグッズや啓発動画へのイラスト提供
2021年より3年間にわたり、Evaオリジナルカレンダーの作画制作を担当する

 

2022年春より、拝観時の住蓮山安楽寺にて、御朱印を書かせていただいている
また同時期より安楽寺に伝わる
「九相図」「安楽寺縁起絵」
復元プロジェクトに制作スタッフとして参加する

 

2023年 秋より「安楽寺縁起絵」を前任者より引き継ぎ完成、奉納する

 

2024年 株式会社ヌースコーポレーション機関誌「ヌースな暮らし、ゆったり時間」の表紙に採用
5月 京都Star Poets Galleryにて個展「遠い日の約束」
6月 京町家Salon de 新門前にて個展「深いところへ」
9月 京都Star Poets Galleryにて動物愛護週間へ向けて「黒川ツナ子が描く動物たち」展
10月 京町家Salon de 新門前にて個展「2階で描いた屏風たち」
10月 喫茶ヒトクチヤ階段ギャラリーにて個展「やわらかく やさしく あるもの」
11月 住蓮山安楽寺にてイベント参加「ミャウゼ」
11月 住蓮山安楽寺にて三人展「安楽寺三人展」

 

2025年1月・4月 Panasonicショウルーム京都イベント「アートプレイスイベント〜衣食住をアートすると毎日のくらしが変わる〜」に作品出展
6月以後年末まで数回の個展を控えている

 


私の作品全てに共通するテーマは
『Pray for happiness ~祈り~』です

 

いろいろな色が重なり合って生まれる色
その中のわずかな一色がなくてもその色は生まれません
自分が自分の色であり、お互いの色を尊重し合えば、きっとそれは調和した美しい世界になる
そんな思いで絵を描いています


 

Sara Profile(Sara Satomi )

ヴォイスとクリスタルボウルで調和の響きを奏でるサウンドヒーラー/シンガー
宮城県出身。

2007年よりサウンドヒーラーとして活動開始。日本全国で多くの人たちに音の癒しのセッション・レッスン・WSを提供している。

2011年 3月地元宮城県で東北大震災を経験、大きな変容を経て2017年より活動拠点を京都に移す。

2021年 ピニスト髙橋賢一と即興演奏ユニット Eudaemonia. 結成。2022年12月 1st アルバム 「an open book」リリース。京都を中心に演奏活動を続けている。

こどもの頃から世界を音で体験しており、その独特な雰囲気や繊細な表現は聴くものを時空を超えた癒しと安らぎの旅へと誘う。

 

翻訳家として訳書にトム・ケニオン著「マグダラの書」、ジャスムヒーン著「神々の食べ物」などがある。

 


 

水の記憶 - 黒川ツナ子個展 水の記憶 - 黒川ツナ子個展


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