吟遊現代は詩人の魂たちによる新たな試みとして
言霊と音霊に潜む、明らかな世の精神周波数域を遊ぶ旅人たちの現場です。
Star Poets Gallery 今村仁美
日時 | : | 2024/9/28(土) 15:00開場/15:30開演 |
参加費 | : |
ご予約:3,500円/当日:4,000円 |
開催場所 | : | Star Poets Gallery(Access>) 京都市上京区中務町491-71二条城GALAXY601 |
ご予約お申し込み | : | お申し込みはONLEINE SHOPにて>> |
出演
友理 末富晶 中峯翔
- 第一部 MAKUAKE 詩と聲と音楽のパフォーマンス
15:30〜16:30
(休憩)
- 第二部 トークショー 音楽と声について
16:50~18:00
終了後、ご自由に参加できる懇親会を開きます。
参加費は2,000円程を予定しています。(当日現金にてお願いいたします。)
友理
–それぞれのゴーストに、アクセスする。
混沌の世の中である今だからこそ、命の重さ、煌めきを表現したい。
音楽は音符という世界共通の言語の上に成り立つ「音」であり、それ故に言語や人種の壁を超えて世界中の人間の魂を揺さぶることが出来る。
日本語は日本語というルールを持った言語の上になりたつ「音」でしかない。
では、その「音」にそれぞれ自らの魂を吹き込み、「聲」として響かせることで、我々は互いの魂にアクセスし、共鳴することが可能な筈だ。
誠意と熱意の籠った心からの「聲」は方言や言語の枠を超え、相手に訴えかける力を持つ。
さらには共通言語を用いながらも互いに共感し合い、想いを共有することの難しい「人類」という存在が、一つの大きな共同体となり、生命体となり、
「あらゆる透明な幽霊の複合体」(宮沢賢治『春と修羅』「序」)となることが出来ると、–「人間の聲」には、その力があると確信している。–「平和」とは何か。
全く違った作風、聲を持った我々三名が三者三様のゴーストを受け取り、互いにアクセスし、高め合い、聴取や外の世界に発信することでまったく新しい共有の場を作っていきたい。
「みやこふる」(抜粋)
雨の巨人
という怪物の話を聞いたことがあるか
雨の中をただ歩き 雨が止むと消えてしまう
身の丈は計り知れず高く 頭はいつも雲の上にあって
その顔を見ることはできない
だが 木々生えそろう彼の頭の上には 老齢の鳥が一羽いるのだ
降りやまぬうち 延々と それから
時を語る鳥の唇 形のよい舌は かつての風景画である
語るために嘴をなくし
それでも語り尽くせぬ悲劇の鳥よ
いま降る雨は いったい いつの水であろう
百年 千年 〈あるいは修羅の十億年〉
顔が 花のようにはじけた動物たちの行進
歩いてゆく恐竜に 取り残される人たち
足元にあるいくつもの唇 小さな波紋 は
飛沫を唾吐き
わたしはネイティブの娘となって
聞く いまやって来たばかりの 雨のふるさと
生まれたまま数億年とし老いた
輪廻を超えた水のさえずりを
全身の耳となって
―― 長編詩『雨の巨人』より 古都にて記す
Profile
友理(ゆうり)
詩人、エッセイスト、筑豊ゴットン節の唄者、文学修士
福岡県飯塚市出身、在住。幼少期より表現者を志し、常田富士男の朗読(宮沢賢治『春と修羅』「序」)に衝撃を受けたことから詩に興味を持ち、詩作を始めるとともに朗読を好むようになる。
大学院生時代、近現代文学の研究を行いながら、2011年10月に詩人吉田文憲の推薦で詩集『子取りの産声』(思潮社)を刊行し、翌年、学長賞受賞。
詩人・朗誦家の天童大人がプロデュースするプロジェクト「アートパフォーマンス:Projet LaVoix des Poètes 『詩人の聲』」に2013年から参加したことをきっかけに、「聲」の活動を始める。
2020年より国際詩祭への参加を始める。
筑豊弁と標準語の両方を使用し、土俗的で物語的な節回しが特徴。
地元筑豊の炭坑唄である「ゴットン節」の唯一の唄者としても知られている。
既刊詩集(単著)
– 『子取りの産声』(思潮社、2011年、フェリス女学院大学学長賞受賞)
– 『雨の巨人』(響文社、2018年、飯塚市郷土資料登録)
– 『Seeking for the Elephant:Selection of poems 』(友理、西端しづか、Y.Tashiroによる英訳、書肆ジリオ、2024年)
– 『Buscando al elefante:Selección de poemas』(エクトル・シエラによるスペイン語訳、書肆ジリオ、2024年)
共著
-『芥川龍之介:生誕120年』(関口安義(編)、翰林書房、2012年)
-『聖書の女性たち:詩華集』(日本キリスト教詩人会(編)、教文館、2013年)
その他刊行物
-CD『友理のゴットン節』(書肆ジリオ、2018年、飯塚市郷土資料登録)
-私家版雑誌『ゴッサマー』(書肆ジリオ、不定期刊)
-私家版雑誌『Gotton-bushi Selection』(書肆ジリオ、英語版、不定期刊)
国際詩祭参加
-International Poetry Festival in Rahovec, Kosovo 6th edition.に招待参加(2020年9月1日〜10月30日、コソボのラホベックにて開催)
-1st WORLD POETRY FORUM “POETRIX“に招待参加(2024年4月20日〜26日、コロンビアのボゴタにて開催)
Youtube
https://www.youtube.com/@yuuri2190
https://www.facebook.com/yuri.shibata.144
Instagram @yu_ri.shara
中峯翔
–意宣りと霊駆り
言葉、音の波動は空間を震わせ伝播していて、
「あらゆる透明な幽霊の複合体」へ作用を起こす。
全ての人が詩人であり芸術家。
自分の聲や言葉に気づくことは、
生命や魂のふくらみに触れること。
信じ、続け、発していくことがそのまま意宣りであり霊駆り。
言葉は潜象から現象への橋、聲はそれぞれを超え、無を開く鍵になる。
三人での響き合い、新しいうねりを上げていきたいです。
「夜空を耕すのは」
夜空を耕すのは
君の心の豊かさだ
星降る清き夜
古き良きを知る
夜明け方微睡んで
夢はもうそこになく
朝露の一雫
遥か銀河を知る
なんにもないままで
それこそあるがまま
心はただ風の
通り道だった
Profile
中峯翔(なかみね しょう)
大阪新世界BARのこされ島二代目島主。
ガットギターでの弾き語りを主軸に、ライブ、映画や映像作品への楽曲提供、絵や造型などの表現を展開。
父の遺したアトリエ、畑にも手を入れ、思索、詞作の日々を過ごしている。
Youtube
https://www.youtube.com/@shonakamine
Instagram @nocosarejima_shinsekai
末富晶
–真実を貫く言葉と聲。
現代においてそれを耳にする機会はとても少ない。
真実の言葉は、聲は、一体この世界のどこに隠れているのだろう。
『ことばのちから』という言葉が不用意に一人歩きしているように感じることもあるけれど、本当はそれは、一人ひとりのうちに眠っていて、解放を待っている。
真実の言葉と聲の響きは、そこに唯一とどいて、内より深く震わせる。
互いのその深みにアクセスし合い、響き合うことができたら、何かとてつもなくすごいことが始まっていくのではないか。
三人の詩人が織りなす、時を超え満ちる数多の聲との共鳴空間。
ここに集うすべての存在とともに、真実の言葉と聲に開かれる場となりますように。
「命」
弦をしならせ
矢を放て
銀の矢をもって
黄金の的を射貫け
ほんの一寸乱れれば
その角度はもう意味を成さない
鋼の矢を銀に
鉄の的を金に変える
光の方向を見つけ出し
身体中を弓として
その文字通り
命をかけて矢を放て
Profile
末富晶(すえとみ しょう)
詩人・生け花アーティスト。
1983 年 神戸市生まれ。
1991 年 小学3年生の時に学校に行かなくなり、その後7年間を不登校児として過ごす。
1994 年 華道家 松井禾風氏に出会い、師事。
生け花の修練を積み 1999 年より華道壮風会の東京・神戸・パリ・ミラノで開催したギャラリーでのグループ展に作品を多数出展。
2000 年 松竹映画「十五才 学校Ⅳ」(山田洋次監督作品)の制作に関わり作中詩原案者となる。
2018 年 岩波ジュニア新書で、自分の体験を綴った『不登校でも大丈夫』(岩波書店)を出版。
Youtube 末富晶| 世界のはじめに
https://www.youtube.com/@sekainohajimeni
https://www.facebook.com/seikuudayori
Instagram @shou.suetomi