2019/4/8-14

江田 朋百香展「存在と消滅」

2019/4/8(月) – 4/14(日)
11:00 – 19:00(最終日は17:00)

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 場所:MEDEL GALLERY SHU|愛でるギャラリー祝
(帝国ホテルプラザ東京2F)


 

 

 

  

「存在と消滅」に寄せて

存在するものは必ず消滅する。

森羅万象、すべて存在と消滅を繰り返す。

 

消滅するから存在するということは意義を持つ。

 

私の存在意義はなんだろう?

 

それが知りたくて筆を持つのかもしれない。

ただひたすら絵を描くのは、

ただひたすら、それが知りたいがため。

 

そうしてエネルギーを使い果たし、私もやがて消滅する。

残った絵たちは私の存在意義を無言で証明してくれるのだろうか?

 

 

江田 朋百香

 

 

イザナギとイザナミの渦を混ぜ続ける朋百香の芸術的神話の行方

by Hitomi Imamura
Star Poets Gallery

 

昨年春に京都アートスペース余花庵にて開催し、大変好評を得ました江田朋百香個展、『SUMI」。

今回もキュレーターとして参加させていただく運びとなりました。

 

この東京、愛でるギャラリー祝におきましてはブティック側(初期作品)とギャラリースペース(SUMIシリーズ)に展示します。

新作に加え、初期のボタニカルアート作品、京都タロットのアーカイバル作品等、

幅広く朋百香のアートの世界をお楽しみいただけます。

 

冒頭にある朋百香の”「存在と消滅」によせて” についてですが、

一番最初に初稿で私が読ませていただいたものは全く違うものでした。

それも大切なメッセージだと感じましたのでこちらにご紹介させていたきます。

 

そこにはひとりの女として、妻として、母として、お孫さんたちの未来を見据えてきた

愛するものたちへのメッセージが記されています。

 

「仁美さん、あの最初のはやめるわ!」

 

そう言って笑いながら、改めた先には

平成の終わるこの時節において、

朋百香さんの内に秘めた芸術への熱望とその行方に問いかけられた自身への覚悟と清めであるように感じました。

 

私はここはどうしても先のメッセージもみなさまにシェアしたいと思いました。

 

以下、ご紹介させていたきます。

 


 

「存在と消滅」によせて

 

人もモノも生まれては消滅し、また生まれてはやがて消滅し、

森羅万象すべては その繰り返し。

 

存在は消滅に恋をして、存在はどんどん美しくなり、

存在はどんどん意義を持つ。

それゆえ存在は消滅から離れられない、

いつか消滅に飲み込まれると分かっていても・・・。

恋の呪縛はがんじがらめ。

 

存在して、存在して、存在して・・・やがて消滅。

あなたも私も、彼も彼女も。

だから今を楽しんで。

存在する今を楽しんで。

笑うことも泣くことも、苦しむことも存在のあかし。

起こることは、すべて存在のあかし。

だから今を楽しんで。

 

江田 朋百香

 

江田 朋百香 Profile

1955年生まれ

神奈川県横浜市在住

 

幼い頃より叔父である洋画家、長岡忠三郎に水彩画を師事。

その後、画家、故・熊川昭典氏に油絵を師事。

短大卒業後は実家の日本料理店を手伝いながら絵を描く時を過ごす。

1979年結婚後、子育てを経てからのち1992年植物画に出会う。

以来13年間、植物画に魅了され個展やグループ展で発表。

スコットランド北東部にあるエコビレッジ、フィンドホーン・コミュニティへの旅をきっかけに、

自己の内的プロセスを描写する様々な素材を用いた独自のミクストメディア制作に入る。

また2016年には5年の歳月をかけて描いた78枚の大作「京都タロット原画展」を京都/烏丸御池にて発表。
(現在”京都タロット”カード制作に向けてプロジェクト進行中)

今回は新シリーズ”SUMIART”の新作展示となる。

JIAS 日本国際美術家協会会員

 

 

<画歴>

1992年 植物画家 故・佐藤廣喜氏、佐々木啓子氏に師事。
1994年 この年より毎年、京橋ギャラリークボタにてグループ展に出品
(2005年まで)
2002年 JGSボタニカルアートコンテスト 優秀賞
2004年 銀座ギャラリー・アガペーにて植物画家、藤田規子氏と「二人展」
2005年 JIAS日本国際美術家協会主催、日・仏現代美術世界展出品
東京青山スパイラルで開催 以後、毎年出品
2006年 表参道、ラ・ベルモエにて個展「たまゆら」
太子堂、Star Poets Galleryにて個展「フィンドホーンの風」
箱根神社に「龍の夢」ご奉納
2007年 自由が丘、2nd  Stage にて「朋百香・個展」
代官山ヒルサイドテラスにて個展「花鳥風月」
2009年 京都の作家、岩倉ミケ氏監修のもと和のタロットカードの制作に入る。
第17回パリ国際サロン 出品 以後、毎年出品
2011年 第41回 メキシコ美術賞展 優秀賞受賞
宮崎県、大御神社に「アマテラス」ご奉納
2012年 サロン・ドトーヌ入選 パリ、シャンゼリゼ通りにて開催 以後毎年出品
2014年 「京都タロット」全78枚の作画完成
第28回 パリ国際サロン、個展部門出品、パリ3区マレ地区にて開催
2015年 第29回 パリ国際サロン「新エコールドパリ浮世・絵賞」受賞
2016年 「浮世・絵賞」を受賞した副賞として、NEPUの公認作家として1年間の国内外での広報活動。
秋にはパリ、ギャラリー・デュ・マレにてミニ個展部門に推薦出品。
京都タロット原画展〜宙のメサージュ〜 京都しまだいギャラリーにて開催(主催:スターポエッツギャラリー)
2017年 イタリア美術賞展大賞受賞
2018年 京都 アートスペース余花庵にて個展 「SUMI」

<出版物>
2008年 アーカイバル®画集(株式会社アーティー製作)「朋百香」

 

http://www.tomoko-358.com

 

「ユニベール・デザール」編集長 パトリス・ド・ラ・ペリエール氏より

彼女の作品を構成する色彩の描線は、まるで花火のようだ。

それは砕け散り、ある力強さを放射する。それは我々が感じ、我々を沈考させるような力強さだ。

抽象画とは確かに、先入観やイメージの外にある概念を我々に想起させるものだ。

絵画とは何よりもまず、具象であれ抽象であれ、芸術愛好家たちにある種の感情や詩情を抱かせなくてはならない。

そして、この作者がこのアプローチに全霊を注いでいるのを我々は見る。

また、作品を感じとるということは、作る者の意識相と見る者の意識相に同時に委ねられるということを、我々はこのアーティストから教えられる。

 

パトリス・ド・ラ・ペリエール

「ユニベール・デザール」編集長