2006/6/10-18

深層の球根 – SOHMEI ENDOH 作品展

2006/6/10(sat) – 6/18(sun)

 

ライスペーパー「88」表紙イラストレーションでお馴染みのイラストレーター、
SOHMEI ENDOHの新作43点を含む絵画展開催。
木材に彩色した上に、ガスバーナー&高電圧コテによる焼き付けというオリジナル技法によるアブストラクト絵画展。
※期間中、会場にて限定オリジナル・デジタル・プリントによる、過去の「88」表紙 作品も販売いたします。

 

深層の球根
地下経絡 # 1
地下経絡 # 2

 

 

サスティナブルⅠ.Ⅱ / 東京の幻影
ギターマン

 

 

深層の球根シリーズ 全32作品
88 10号 Cover

 

 

今回の展示について思う、あれこれ

Colors同時多発テロは中目黒の焼き豚屋「M」で知った。
悲惨な情景を店内常設のテレビ画面で傍観しながら、漠然と「アナログ盤のB面になったな・・・」と思った。
その後、フリーペーパー「88」の表紙を担当するようになり、誌面に掲載された、元じゃがたらのギタリストOTO氏のインタビューを読むに至り、頭の中で 解決できずにいた例の「アナログ盤のB面になったな・・・」が「継続可能」に変換され、さらに「サスティナブル」という使い勝手の良い言葉も、そのインタ ビューで覚えた。
声高に人類の未来に向かうメッセージを「ローハス」なる外来語で叫ぶのも大いに結構だし、実際行動に移している積極派な方々は賞賛に値する存在だと素直に思う。

 

さて、東京という名のバビロンで日々生息し、僅かな表現活動を行っている俺に今、出来る事とは?
シンプルに考えて「節約」なんだと思う。色んな意味での「節約」。
今回の木材も、正直、使い回しが多いし・・・(苦笑)
後は自分が思った「サスティナブル」を絵にする事だろうと・・・それで描いた物がこの部屋に展示してある作品群だ。
尚、よくこの技法について聞かれる事が多いのだが、当初は安アパートの畳にあった焦げ跡が気になり、永福町の音楽酒場「鶴吉」でのディスプレイ画に応用した事が始まりだ。
その後、上野「末広酒場」の白木カウンターの焦げ跡から、木材への焼き付けに変化していった。
勿論、幼少から食っていた紀文かまぼこ板の焼き印も無意識に擦り込まれていたのだろう。(笑)
今回の展示に至る切っ掛けを作ってくれた、旧友であり当ギャラリーオーナーの今村女史には非常に感謝しています。
そして多くの友人達の支えで、いまだ奇跡的に、絵を描いて生活できている事に感謝します。そして両親にも、勿論。

 

2006.6.10 SOHMEI ENDOH

 

SOHMEI ENDOH 作品展 オープニングパーティーのご案内

皆様方にはご健勝の事と存じます。
この度、Star Poets Galleryではイラストレーター遠藤聡明氏の個展を開催いたします。新作43点を含む、意欲作品展です。
氏はイラストレーターとしてのキャリアはもとより多彩な人間関係力の持ち主でライターの仕事、あるいはアートキュレーションや音楽イベントの企画、コーディネーター、飲食店の看板・癖画から映画の評論に至るまで、まさに多才な人間底力芸術を駆使しているお方です。
今回はSPGの新たに確保したアートミーティング空間、名づけてシリウスA号室のお披露目も含めて、遠藤聡明の行き着く果てもなくバテない荒野の旅路、奥の細道に真剣にお付き合いする運びとなりました。
独創的なニッポンの原風景をポップにあやつる表紙絵(フリーペーパー88)の88エディション・デジタルプリントもあわせて、オリジナル技法(木材に彩色した上にガスバーナー&高電圧コテによる焼付け)によるアブストラクトな絵画展です。
今回の企画展は私にとってもSPGにとりましても充分な動機があり、戦後、高度成長期に四国に生まれ育った私自身のフルサト・ニッポン→東京江戸縄文へのかすかな憧憬と困惑と敬意と感謝とともに、旧知の仲間でもあるSOHMEI と「新装の旧魂」?と題してお届けいたします。
SOHMEI が創る作品空間への思い入れと賛辞に変えさせていただくことにいたします。
オープニングにはスパニッシュギター奏者のサトシさんのライブをお楽しみいただけます。
皆様のご到着を心よりお待ちいたしております。

 

Star Poets Gallery 今村仁美

 

~オープニングライブ:19時より予定(簡単なおつまみと飲み物をご用意しています)

 

~ SATOSHI HORI(スパニッシュギター): プロフィール
1974年 大分県生まれ。
両親の影響で幼少から音楽と親しみ、学生時代のバンドブームに乗り、ギターを始める。
1955年にスペインを代表するフラメンコギタリスト、パコ デ ルシアの音楽に出会い、翌年からスペイン、アンダルシア地方のセビーリャに渡る。
帰国後、フラメンコスク-ル”ESTUDIO EVITA”専属の伴奏ギタリストとして3年間のキャリアを積み、フラメンコギターの基礎を学ぶ。
2000年より再び渡西、アンダルシア、コルドバでヒタ-ノ(スペイン系ジプシー)と生活を共にしながら、セッションを重ねる。
この頃より、”日本人として持って生まれた祭り心”をコンセプトに楽曲作りに没頭し、チェロ、ヴァイオリン、パ-カッション、ヴォーカル、などの様々な奏者とのアンサンブルを生み出している。
http://www.moodstock.com/satoshihori.html

 

挨拶文

「深層の球根」なんて訳が分からんタイトルなのですが。
通常、俺の場合、余りタイトルなぞには拘らない体質なのです。
しかし、今回は旧知のギャラリーオーナー、今村仁美女史のアドバイスもあり、当初「サスティナブル」ってタイトルにしようか?って数分で決めた初期案を、一旦却下し、女史と2人、数案出すなかで妙にピッタリする響きだったのが上記タイトルだったわけです。
せっかくなので、このタイトルを基準にし、日記を付けるがごとく日々の心象風景を描き進めたものが、今回の展示内容 の「真相」です。
それじゃ「真相の刎頚」か?(苦笑)まあ、いいや。
答えなんか何処にもないし、貴方の深層に多少でも響く絵があったら非常に嬉しい事です。

 

2006.5月絵画作成中の祐天寺にて SOHMEI ENDOH拝

 

SOHMEI ENDOH Profile

SOHMEI ENDOH(ソウメイ・エンドウ)

1960年、静岡県生まれ。

 

セツモードセミナー卒。その後、広告イラストレーション制作会社「ホワイトスペース」勤務。

1989年よりフリーランスとして木版画作品を中心に活動。撮影用の美術&店舗壁画も数多く手掛ける。
1991年、インテリアデザイナー野口大二氏と共同オフィス「AFRO」設立。
1998年、写真家ノニータ氏と共同運営による「ギャラリーGP」を主宰。
2002年の閉館まで多数個展開催。
2004年、自身の活動と平行し「恵比寿NOS」(http://www.nos-ebisu.net/)内ギャラリーのキューレションも行っている。

 

近年はイラストレーションと付随しライター及びイラストライター業務も行う。

 

 ※ホームページ「Free」コンテンツにてイラストエッセー「調子悪くて当たり前」&人物回顧エッセー「その時、三半規管は揺れた…。」連載執筆中!

http://sohmei.jimdo.com/

 


 

 


6月10日 オープニング・パーティーより

6月9日セッティング当日、SOHMEI・Eとの作業はあっというまに終わる。あっという間にだ。
本人曰く百戦錬磨らしいが。作品たちはおのずと自らの場所を知っていたかのように、展示されていった。

落書き感覚で「深層の球根」なる32点の新作のシリーズを、さも何も考えなしにグラフィティにしていくその軽妙さ。
このシリーズはユニークだ。
まるでどこかの小さな村の図書館に寄贈された子供図鑑のデザイン画のように奇妙なまなざし。
真実ともバーチャルともつかない魂のいいかげんな記憶から現れる博学的示唆に満ちた思想の断片。
実はそんなものが隠されているとしたら。なわけないよな。
かのように思えるのだから面白い。
どうでもいいものなんでもないことのなかに潜む日常の断片(かけら)を集めて楽しんでいる悪ガキコレクション。

 

かっこいいことはなんてかっこわるいんだろう。という歌があったがSOHMEI の作品の魅力は計算がないのでかっこいいと思う。
なんて言ってしまったら、

 

だってかっこわるいじゃん。それって。って言われるだろー。
なのでなんとなく私は「こいつ計算してるな。実は。」と思ってしまう。

 

Star Poets Gallery 今村仁美

 

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SOHMEI・Eという人について

秘密の基地で遊んでいた近所の悪ガキのアンちゃんが今も遊んでいるその姿はけっこうほほえましい。
一生懸命、真剣に遊んでいる友達には声をかけづらいときもある。
いっしょに本気で遊べるときだけ声をかけるのだ。
互いのセークレッドな領域を踏まないために。
この人にとっては遊び場を造ったり仕事場になってみたり、秘密基地も立て壊しになったり、老舗になったり、
遊び仲間が変わっていってもいつも近所の兄ちゃんのまま、そしてなぜか変わらず彼の周りにいる悪ガキたちもまんまなのだ。

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そんなオープニングパーティーでは、作品たちの面白さとともに、いらしてくださった皆さんの鋭いコメントや感想にSOHMEI 君もご満悦。
宴と化したSPGの梅雨入りの夜。蒸し暑い夜。アジアの場末の夜のギャラリーはまるで根っこで繋がりあった持続可能都市サバイバーたちの音楽酒場のような有様になったのでした。
オープニングのお祝いに素敵なライヴ演奏をしてくださったスパニッシュギタリスト、 サトシさんとヴィオラの詩織さんのリリカルで透明なサウンド世界は SOHMEI 作品たちと、流動的な空間感覚によって反響しあい、2006年水無月のアンソロジーとなりました。

 

Star Poets Gallery 今村仁美

 

A号室展示風景

 

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展示作品
生命の移行  森林の流れ着く果て 2005年 木材にミクストメディア、高電圧コテ、ガスバーナー 91×182
深層の球根シリーズ:地下経絡 # 1 . 2 2006年 畳にミクストメディア、高電圧コテ、ガスバーナー 88×88
サスティナブルⅠ.Ⅱ 2005年 木材にミクストメディア、高電圧コテ、ガスバーナー 91×182
東京の幻影 2005年 木材にミクストメディア、高電圧コテ、ガスバーナー 91×182
南アフリカ (レリーフ) 2000年 木材レリーフにミクストメディア
ギターマン (オブジェ)  2006年 木材立体にミクストメディア、高電圧コテ 

 

D号室展示風景

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展示作品
深層の球根シリーズ 全32作品
2006年 木材にミクストメディア、高電圧コテ、ガスバーナー 40×60  57.7×72.5(額装) 他


 

88 10号 Cover

Rice Paper「88」表紙画  2号~10号まで各限定88エディション
木版画にデジタル着彩  オリジナル・デジタル・プリント ¥18,000(額込)
「88」2号~10号(最新号)まで同一価格にて販売しております。
http://www.wacca.com/88/
※88(ハチハチ)は年4回発行(春夏秋冬)のフリーペーパーです。
お米を意味するタイトルからも、お米について、日本の食文化についてこれからのライフスタイルや自然についてまじめに考えよう!というコンセプトのもとフリーペーパーならではの柔軟で有機的な発信受信のネットワークを様々な個人や、企業、地域社会へと繋いでいます。88は都市部を中心に全国の文化施設や、オーガニックレストラン、レコードショップ、美容院、カフェなどに配布されています。
SOHMEI の表紙画は、この88のコンセプトに見事にマッチしています。
独自の感性を駆使してどこかポップで懐かしいニッポンの原風景、今昔ワールドを描いています。
この度、Sohmei Endoh 作品展の特別企画といたしまして88編集部の暖かなご協力を得、
「88」2号から最新号の10号まで各、限定88エディションにて皆様にお届けできることになりました。